もう……なにから話せばいいのか……
読み終わってからずっとぼんやりしてて、思考回路が渋滞してる
とりあえずひとりひとり、噛み砕いていこうと思う
人選と順番はわたしの推しと好みと偏見で
・久森晃人
推しです
ユウナギちゃんが目の前に現れたとき、真っ先に思ったのは「久森晃人の眼を潰されたらどうしよう」だった
この子の両の眼を潰すくらいならいっそ殺せ、と
結果的にどうなったの、この子
目を覚まさないって言うけど、ねえ、どうなったの
七見くんが「血性を失った」「地球に魂を溶かさずに」って言ってた気がする 読み返す勇気がまだない
地球に奪われていないだけマシなのだろうかと、なにが一番マシな状況なんだろうって呆然としている
血性を失うってことはきっとこの子はもうヒーローとしては立ち上がれない
地球に奪われていないということは、まだこれからヒーローではなく一般市民として生きる道があるのかも知れない
それはもしかしたら久森晃人が望んだ人生なのかも知れないと思った
だけどそれは、この子が矢後さんと出会うまでの、ヒーローになる前の願いで、今さらそれが叶ったところで平穏なんて訪れるかどうかわからない
もういっそ潔く殺して欲しかった、と、嘆かずにいられないのはたぶんきっとわたしのエゴだ
生きていることが幸福で正しいなんて思えない ここで、ヒーローとして終わらせてくれたらどんなにか綺麗な人生だろうって、美しい英雄譚を望んでいる
そんな結末が描かれないことに意味があるとするならば、どうかこの子の両眼が無事であるようにと願う以外にできることはないと思った
血性がなくても、きっと未来視はこの子自身の能力だから、それが使えるのならまだこの子は戦える
ヒーローとしてではなくても、戦闘はできなくても、戦うみんなのサポートはできる
せめてそうであってくれと、そうでないならいっそ殺してくれと、久森晃人が目を覚ますときを戦々恐々と待ち侘びている
ねえ、久森晃人はどうなるんですか? この先の未来を知りたいけど、いっそ殺せと喚くことになるくらいなら知りたくはない
もしもこの子が両の眼を失うことになるのなら、それを嘆いて泣き喚くところも見たくないし、諦めて受け入れるところなんかもっと見たくない
どうか無事であってと、どこへ向けて願えばいいのか全然わからない
なにが、どこが、一番マシな状況なんですか
・矢後勇成
推しその2です わたしの骨は風雲児の校庭に埋めてください
4章に入る前、更新された矢後さんのサイドストを読んでしまったのが敗因でした
それまで矢後さんのこと、理解できない思考回路を持った超人(バカ)だと思ってた
どうせ理解なんてできないから、観客席からキャーーーヤゴサーーーン!!!ってうちわ掲げて喜んでいられたんだと思う
でも矢後さんって、理解できない超人なんかじゃないんだって、サイドストーリー読んで思ってしまった
たぶんこのひとはまともな感性を持って、まともな感情を持って生きているただの人間だ
普通の、人としての心をちゃんと持っている
そう感じてしまった瞬間、矢後勇成の人生があまりにもしんどくて、「死ぬことは怖くない」「痛みを感じない」「寿命を更新し続ける」その生が、ひどく恐ろしくて考えたくないと拒絶してしまった
矢後勇成という人間と向き合うのが怖かった
観客席からなにも考えずにうちわを振っていられたらよかったのに、唐突に目の前に降りてきた矢後勇成と眼を合わせることができなくて、そのまま4章に突入してしまったのはあまりにも無謀だったと、今なら思う
向き合っておけばよかった、向き合うべきだった
このひとは超人だけど、ただの人間だ
死ぬことが怖くないんじゃない、きっと繰り返す恐怖に麻痺して飽いて、考えることをやめてしまった、考えないようにしてしまった、恐怖ごと飲み込んでしまっただけだ
知り合った人間がいなくなることも、きっと繰り返しつらい思いをしてきて心が少し麻痺している
『自分』を確立することで、己の人生を生きるという意思を持つことで、死んでいく人間の身勝手を跳ね除けることができる強さを持ったひとなんだと思う
積み重ねて麻痺して拒絶して、それで強さを保ってるひとなんだ
いちいち心を砕いていたら、その数の暴力にきっと壊れてしまう 「自分の人生を生きるのは自分だけ」と割り切らなければ、置き去ることもきっと難しい
そうやってどうにか自分を守って生きているひとなのだと、いくら身体は痛みを感じなくても心はちゃんと痛みを受けるのだと、そう、きちんと理解しておけばよかった
ううん、理解していたところできっと、目を覚まさない久森晃人を目の当たりにした矢後さんのこと、泣かずにはいられなかっただろうけど
でも、少なくとも、向き合いたくないって拒否せずに済んだはずだ
矢後さんが「避難してると思った」って久森くんに言ったのは、願望の現れなのかと少しだけ思ったけど、あながち間違いではなかったのだと思う
ただ引きずり込まれただけのヒーローが、こんな危険な局面にいなくてもいいという、矢後さんの自己防衛のようなものなんだと思った
矢後さんが引っ張り込んで、便利だからと扱った相手が、矢後さんの責任でないはずがない
それが最悪の形で表出してしまった
ああいやだな向き合いたくないなって未だに顔を覆うけど、でも、矢後さんのそれは自業自得でもあるんだよ
久森晃人のこと、それなりに知ってるでしょう 避難させておきたいのなら矢後さんはそれを伝えなくちゃいけなかった
それを怠ったのも自己防衛で、久森晃人のことを考えないようにしたのも自己防衛で、本人の意思に任せたのも自己防衛
スジ通らないの当たり前だよ、矢後さんが久森晃人にすべてを委ねて、久森晃人は自分の意思でこの戦いに参加した
それを「久森の選択」として処理できない、矢後さんがなによりも悪い
自分を守るためなら、矢後さんはもっと久森晃人を守るべきだった
それまでの積み重ねが邪魔をして、きっと久森晃人のことを考えることも、大切に思うことも、見つめることもできなかったんでしょう
それをすべて矢後さんが悪いなんて言えない 自分の心を守るために必死だった矢後さんのことは否定できない
でも、それでも、傍に置いたのなら、自分の身勝手で隣に据えたのなら、矢後さんはもっと久森晃人と向き合うべきだった
ねえ矢後さん、久森晃人が生きててよかった あの子が目を覚ましたら今度はちゃんと、向き合って話をしてあげて欲しい
あの子のことを”ヤワじゃない”って言ったのは他でもない矢後さん自身でしょう
きっと久森晃人は、あなたのことを救ってくれるよ
だって、あの子はまだ生きている
推しだからってしんどいところからいきすぎた……一旦ここで区切らせてください、むり
めちゃくちゃに情緒破壊されている